質問：法テラスを利用して弁護士と契約をしています。離婚の調停事件なのですが、弁護士のやる気がなく、こちらが質問をしても怒りだすし、威圧的だし、すぐにでも弁護士を変更したいです。これは可能なのでしょうか。事件のことよりもこのストレスで死にそうです。
法テラスで弁護士選びに失敗する方は少なくない
法テラスを利用して弁護士を利用しているけれど弁護士を変更したい…という相談があります。実際に法律相談を受けたこともありますし、ネット上の相談にも多く見られます。しかも結構深刻に悩まれている方が多いようですね。
まず、法テラスを利用してではありますが、あなたは「その弁護士」自身と契約しているのですから、弁護士の変更という手続きはありません。依頼したその弁護士を解任する手続きをとることになります。
なお、解任までいかなくても弁護士が事件を遅滞させてトラブルになってしまった、弁護士のやり方に不満があってトラブルになったという時点で契約当事者である法テラス地方事務所に相談してもいいでしょう。 法テラスもあくまで「間接的」にではありますがその弁護士に説明を求めたりすることができるのです。あまり実効性はないでしょうけれどまあ、やってみても損はないと思います。
なお、法テラス利用の事件において弁護士とトラブルになる方も少なくありません。あくまであたし個人の分析ではあるのですが、法テラスへの弁護士側の本音を知っておいてよいかと思います（関連記事「法テラスに対する弁護士の本音は？」）。
そもそも法テラスを利用して弁護士と契約するということですが、これは法テラス、依頼者、弁護士の三者間での契約なのです。通常であれば弁護士との契約は依頼者との間の二者間契約です。通常の契約であればもちろん弁護士との合意があれば自由に弁護士との委任契約を解除できますし、また弁護士に辞めてもらう（解任する）ということも比較的自由にできることなのです。
しかし法テラスを利用すると法テラスが介在することにより弁護士を辞めさせる（解任する）にも法テラスの承認手続きが必要となります。
弁護士に辞めてもらうのも、次を探すのも一苦労
法テラスの承認を得て弁護士を辞めさせても（解任させても）、次の弁護士を探さなければなりません。何より重要なことは、弁護士は、ほかの弁護士が途中で辞めた事件をなかなか受けようとはしないということです。ほかの弁護士が辞めたということはこの依頼者との間でトラブルがあったのではないか？そしてそれは依頼者のせいではないか…？と推測されてしまうのです。
経験を積んでいる弁護士は何よりも依頼者とのトラブルを避けますから、次の弁護士探しが難航する可能性があることを頭に入れておいてください。そのためには、法テラスで弁護士を解任する前に次の候補の弁護士を探しておく必要があるでしょう。
次の候補の弁護士を探すにあたっても法テラスの無料相談を利用できるかは法テラスに連絡をしてお確かめください。また、そうでなくて無料の法律相談で見つけたいということであれば、地域の役所の法律相談を利用することも一つの手でしょう。
そして次の候補の弁護士が法テラス事件として受任してくれるかはその弁護士次第となります（そもそも法テラスと契約しておらず法テラスを利用できない弁護士もいます）し、法テラスに審査申し込みをして、法テラスにおいても、従前の弁護士の解任理由等を考慮した上であらためて審査をすることになります。
お金（新たな着手金）もかかる
言うまでもないことですが、次の弁護士を探せたとしても、新たに弁護士へ支払う着手金が必要となります。前述したように、その弁護士が法テラスを利用してくれるかについては、その弁護士が法テラスと契約しているか、法テラスを利用する意向があるか次第ですのでどうかはわかりません（関連記事「法テラスの弁護士は最悪なのか？」）。
その上、前の弁護士に支払った着手金の返済がどうなるかは法テラスの決定に従うことになりますが、前の弁護士への着手金は全額支払ったうえ、次の弁護士の着手金もかかる、すなわち下手すれば二倍以上のお金がかかってしまう可能性もあります。
法テラスを利用するうえで大切なこと、無料相談の活用
なので、頭に置いておいてほしいことは、当然のことですが最初の弁護士選びを間違えてはならない！ということです。せっかく法テラスを利用するのですから法テラスの３回の無料相談枠をフル活用して（すなわち、弁護士３名まで無料で相談ができるのですから）ご自身の弁護士をしっかり選ぶことが何よりも重要になるのです！
ただでさえ法テラス利用には抵抗がある弁護士が少なくないのですから、できる限り慎重に選んでいただければと思います。
なお、法テラスでは弁護士が選べない？という疑問について、これは関連記事「法テラスは役に立たない？その理由と対処法を解説します」に記載したので、お読みください。
また、大切な弁護士の選び方についてですが、関連記事「良い弁護士の選び方？コツはだめな弁護士を避けること」に記載しました。もう、弁護士選びを間違えないようにしてください！！
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