その贈り物、弁護士は受け取れません!(法律事務所に贈り物、その時事務員さんは…)

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質問:離婚事件(交渉事件)で、妻側に弁護士がついて協議離婚が成立しました。当事者だけではうまくまとまらず弁護士がついたから双方納得した上での離婚だったと思います。お礼に妻側の弁護士に贈り物を送ろうと思います。

回答:相手方の弁護士は贈り物を受け取れません。感謝の言葉だけで十分です。

弁護士として受け取れない贈り物がある!

通常、依頼者からいただくことが多い手土産や贈り物、とてもうれしいものです。以前、記事にも書いたとおり「法律事務所の手土産問題(弁護士の本音、相談時に手土産は必要か?)」なんですが、依頼者とのコミュニケーションにもなりますしね、ありがたいです。

ただ、弁護士という業務上、贈り物を受け取れないこともあるのです。

たとえば国選弁護人の場合、名目のいかんを問わず、被告人その他の関係者から報酬その他の対価を受領してはならない(弁護士職務基本規定49条1項)のです。報酬その他の対価とは金銭だけでなく贈り物も含まれています。その他の関係者とは親族に限られず事件に関係する人を指すとのことです。対象が結構広いんですよ。このように被告人及びその他の関係者からの贈り物、これは受け取れません!

さらに、民事事件においては弁護士法26条とそれを受けて弁護士職務基本規定53条で「弁護士は、受任している事件に関し、相手方からの利益の供与」を受けてはならない、とされています。ここにいう「利益」は人の需要や欲望を充たす一切の利益を言い、もちろん報酬、謝礼の意味を有するものが含まれます(さらに日当旅費等の実費弁償の性質であっても含むとされており、もっと広い概念です。)。

でも郵送で送られてくることもある!そんなときは?

ですから事件の相手方からは贈り物を受け取ってはいけません!これは法律事務所の事務員さんもよくわかっていることなんです。しかし、虚を突いて郵送で送られてくる贈り物があるのです。これが法律事務所に届いてしまった...ということがあるのです。これが下記ツイートです。

イチゴ、とても美味しそうだったのですが、泣く泣く送り返すこととなりました(送料は当事務所負担です。)。生ものですからね、送り返すとダメになっちゃうかもしれませんが、しょうがないんです(涙)

弁護士は見知らぬ贈り物がこわい!(爆発するかも?)

さらに、贈り物関係ではこんなお話があります。笑えない笑い話なんですが、弁護士って人様の紛争解決を目的とすることもあり、たまに人の恨みを買うことがあります。ですので贈り物といっても誰から送られてきたものかわからないと、やはり警戒してしまうものです。爆発物が入っているんじゃないかなんて恐怖に思う弁護士もいると思います。

このエピソードをまとめたのが、下記のツイートです。やはり恨みを買った心当たりのある弁護士の話なんですね(笑)

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